Knowledge Village教養・カルチャー > 日本文学 > 近代名作小説の「ん?」

神様もノーベル賞もみんなやってる「志賀と川端」

前回,芥川の執筆に向かう態度を彫心鏤骨と評したが,それに負けなかったのが志賀直哉であろう。
小説の神様,とまで評された志賀のまだ若い頃の作品を読んで,もっと若かった芥川が師の漱石に,どうやったら志賀さんのような文章がかけるのだろうか,と問うたというエピソードが残っている。
志賀は書き直す度に原稿の枚数が減ったという,まさに彫心鏤骨,したがって短編小説しか書けなかった――というとウソになる。
唯一,長編小説がある。それが『暗夜行路』である。

『暗夜行路...

続きを読む "神様もノーベル賞もみんなやってる「志賀と川端」" »

師が師なら弟子も弟子?「漱石と芥川」

前回触れた『坊つちやん』について漱石は,新聞記者のインタビューに答えて,腹案はなかったが「3日計(ばか)り前に不意に浮かんで,ずるずると」250枚を1週間で書いたと言っている。
このことから構成立ても推敲も,かなりいい加減であったことがわかる。その為か,と思われる部分をもう一ヶ所指摘しておきたい。
これも冒頭の章であるが,坊っちゃんの父親が死んで,財産分与ということで兄が600円の金をくれる場面がある。その時,坊っちゃんは「これを学資にして勉強してやろう」と思ったというのである...

続きを読む "師が師なら弟子も弟子?「漱石と芥川」" »

“親譲りの無鉄砲”ならぬ無頓着?「夏目漱石」

近代作家の名作とされる小説に見られる「ん?」という部分について述べてみたい。
その中には,既に評論家達によって触れられているもの,あるいは皆さんが気づいておられるものも含んでいるかも知れないが,その点はご寛恕を乞う次第。

ま...

続きを読む "“親譲りの無鉄砲”ならぬ無頓着?「夏目漱石」" »