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賢治の見た風

宮沢賢治の詩、というと真っ先に思い浮かべるものは何ですか?

「銀河鉄道の夜」や「風の又三郎」といった童話はともかく、詩はちゃんと読んだことがないなぁ、という人でも「雨ニモマケズ」の名前は知っているでしょう。実はこの有名な作品、手帳に書きとめられていた「賢治のモノローグ」のようなものなのです。きちんと出版された詩ではありません(個人的には、「春と修羅」に所収された一連の作品、たとえば、「永訣の朝」「無声慟哭」といった傑作の数々のほうがよほど作品の完成度は高いのではないかと思うのですが、で...

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朔太郎とポップカルチャー

萩原朔太郎の名前を知らない人はいないでしょう。この詩人の名には、自動的に「口語自由詩の完成者」という日本文学史上に残る「貢献」がついてきますし、『月に吠える』『青猫』といった詩集は、たとえ内容を読んでいなくても、みなさんタイトルはご存知ですね。

以前学生に、「先生、誰でしたっけ、あの詩人!『月に吠えろ』って書いた人!?」と尋ねられ、一瞬トランペットの鳴り響く中、夕闇の街を走るスニーカー刑事にラガー刑事の図が浮かんでしまったのですが(とっさに思い出す七曲署刑事で、歳が分かりますね)、間違...

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史上最悪の履歴書 ―中原中也の就職活動―

 中原中也、といえばみなさんはどの作品を思い浮かべますか。やはり有名な「サーカス」や「汚れちまつた悲しみに……」という方が多いと思います。しかし、こういった作品のほか、中也はこんな日常風景を切り取ったような詩も書いています。

 「あゝ十二時のサイレンだ、サイレンだサイレンだ/ぞろぞろぞろぞろ出てくるわ、出てくるわ/月給取の午休(ひるやす)み、ぷらりぷらりと手を振つて/あとからあとから出てくるわ、出てくるわ出てくるわ/大きなビルの真ツ黒い、小ッちゃな小ッちゃな出入口/空はひろびろ薄曇り、...

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