ライブドアの経営手法と成長戦略(後編)
株式分割のワナ
前回は時価総額を上げる手法として、株式分割についてお話してまいりました。
実際、ライブドアは1株を100株に分割するという、大幅な株式分割を2度行ないました。理論的には、株式分割を行なっても株数が100倍、株価が 100分の1ということになりますが、ここまで大幅な分割になると、100分の1にはなりません。例えば、2004年の株式分割では、もともと分割前は1 株30万円前後だった株価が、分割後には一時18220円まで上がりました。100倍して元の株価ベースに直してみると、182万2000円。何と6倍を 超えるほどの上昇だったのです。 では、なぜそういうことになるのでしょうか?
一つは、株式分割が行われるときには、現在と違い、新株(1株持っている人だったら、分割によってもらえる99株のこと)は約2ヵ月後にならないと 手元に来ないのです。つまり売りたくても、もともと持っている1株は売れますが、もらえる99株については、2ヵ月後にしか売れない。すなわち、値が上 がって売りたくても、売れない状態になるのです。 もう一つは、株価の絶対値が下がることによって、買いたい人が増えるのです。例えば、ライブドアの株を買いたいと思っている人がいても、30万円というま とまったお金はこわくて投資できない、でも100分割後の3000円だったら買ってもいいという人がたくさんいるということになります。
株の価値的には、株数が100倍に増えた結果、100分の1に下がりますが、1単位の投資金額が下がることによって、もともとは高くて手が出なかった人が、安い値段のおかげで買えるようになるのです。
これをライブドアはうまく利用し、株数が100倍になっても、株価は100分の1まで下がらず、つまり時価総額を上げることに成功したのです。
ライブドアと法の関係
この企業買収によるライブドアの急成長、そして、大幅な株式分割による、時価総額の急増はともに、何ら法に触れるものではありません。もちろんお金 や株の力だけで他の会社を買収していいのか、大幅な株式分割という手法を使って、時価総額を大きくすることがいいのかについては、賛否両論あると思います が、ここまでの経営方法は法律上完全にシロなのです。
ところがライブドアは、これ以外に法律に触れることをしていたのです。それは・・・

