[ライブドア事件] ライブドア事件を斬る!

アドバイザー:倉井 泰将 / 税理士・ファイナンシャルプランナー

 

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ライブドアの経営手法と成長戦略(前編)

このコラムでは2006年という新たな年の幕開けとともに明るみに出た一連のライブドア事件について少し踏み込んで解説したいと思います。事件の背景やライブドアが残した社会的影響などを私なりの見解も交えながら、お話してまいります。

株価下落の背景

1月17日、前日まで一本調子で上げていた日経平均株価・マザーズ市場の株価が大きく下落。翌日もさらに大幅安となり、市場のムードが一変した。原 因は、前日の夜、六本木ヒルズのライブドア本社他に強制捜査が入り、ライブドアが子会社を利用し、株価操作をした疑いだ。「風説の流布」と「証券取引法違 反」容疑で、証拠物件の押収は翌朝まで続いた。ホリエモンは、17日の朝7時ごろ、強制捜査終了後に記者会見を行い、容疑を全面否定した。

ライブドアグループの拡大

ライブドアが目指していたもの、それは、株式の時価総額を世界一にすることでした。時価総額というと耳慣れない言葉ですが、簡単に言うと、企業価値のことです。時価総額は、「発行済株式総数×株価」で計算されます。私のコラム「株式を買うことの意味」にも書きましたが、会社の発行する株式全部を買うということは、その会社のもの全てを手にするということになるので、株式の時価総額=企業価値ということになるのです。

昨年のライブドア忘年会の挨拶でホリエモンは、「3年以内に時価総額世界一を実現する」と豪語していました。この時価総額を世界一にするため、ライ ブドア幹部は常に、自社の株価を意識し、株価を上げることに必死でした。通常、株価を上げるために、経営者が努力すべきことは、会社の業績を向上させるこ とになるはずです。ところがライブドアは、自社の業績の拡大を買収という方法に委ねます。つまり、ライブドア自体の業績を向上させるのではなく、業績のい い他の会社を次々と買収し、ライブドア傘下に収め、ライブドアグループとしての業績の拡大を目指していったのです。言い方は悪いですが、経営努力で業績を 向上させるのではなく、お金の力でいい会社を丸ごと買ってきて、自社のグループに入れてしまい、ライブドアグループの拡大を図ったのです。

買収の手法 〜株式交換〜

またライブドアは、買収の方法として、株式交換という方法を数多く利用しています。これは買収の際に、お金で被買収会社(買収される側の会社)の株 式を買うのではなく、ライブドアの株(自社株)と被買収会社の株を交換することで、買収を成立させるものです。ライブドアは、好業績の会社を買収すること によって、ライブドアグループの価値を上げ、その結果ライブドアの株価が上がり、またその価値の上がった自社株を使って、さらにいい会社を買収する。振り 返ってみると、業種などは全く関係なく、欲しい会社はこの方法を利用して、どんどん手に入れた印象があります。

株式分割の理屈と実態

また、時価総額を上げるもう一つの手法として、ライブドアは大幅な株式分割を行っています。通常の株式分割は理論上、会社の時価総額には影響を与え ないものです。それは上記のように、「時価総額=発行済株式総数×株価」で計算されますが、例えばある会社が、1株を2株にする株式分割を行った場合で考 えてみます。株数的には2倍に増えますが、株数が倍に増えた結果、1株の価値は半減することになるので、株価は理論上、半分になるのです。株主としても、 もし1株持っていたとするならば、この株式分割によって持ち株は2株になりますが、株価は半分になるので資産的には変わらないことになります。

ところがライブドアは、1株を100株に分割するという、大幅な株式分割を2度行っています。理論的には、株数が100倍、株価が100分の1とい うことになりますが、ここまで大幅な分割になると、100分の1にはならないのです。例えば、2004年の株式分割では、もともと分割前は1株30万円前 後だった株価が、分割後には一時18220円まで上がっているのです。100倍して元の株価ベースに直してみると、182万2000円。何と6倍を超える ほどの上昇だったのです。

では、なぜそういうことになるのでしょうか?

その理由についてはまた次回、触れることにいたしましょう

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