「児童憲章」が意味するもの
まず、前回のコラムの「5月5日」つながりということになるのですが、昭和26年5月5日は、日本国憲法の精神にのっとり、「児童憲章」が制定された日です。「児童は、人として尊ばれる」「児童は、社会の一員として重んぜられる」「児童は、よい環境のなかで育てられる」という前文以下12か条からなるもので、法的な拘束力はありません。しかし、一見当たり前で簡潔な文字の中に、現代にも通じる根本的な子どもの福祉の理念が込められています。それは、児童虐待事件や児童を狙った犯罪が起こるたびに、55年も前に制定された、この児童憲章の前文が意味するものの重さを改めて感じずにはいられません。果たして今の世は子どもにとって幸せなのでしょうか?
子どもがどんどん減っていく
というわけで、5月5日にはこどもの幸せを願い、母に感謝し、5月14日は再び母に感謝する日だったわけですが、昨今、幸せを願うべきこどもの数がどんどん減ってきています。1人の女性が一生のうちに産む子どもの数を示す「合計特殊出生率」は平成16年で1.29であり過去最低でした。第2次ベビーブームのピークだった昭和48年は、209万人の子どもが生まれましたが、平成16年は、そのほぼ半分の111万人です。このままでは、全人口に占める子どもの割合が減ると同時に、人口そのものもどんどん減少していきます。そして、予想していたよりも早く、昨年の人口がその前年を下回ったことにより、ついに日本は人口減社会に入りました。
それにしても、これだけ「少子化社会」や「人口減社会」が話題になり、国も対策を立てているはずなのに、一向に子どもの数は増えません。それは、経済的な問題、仕事と育児の両立の問題、個人のライフスタイルの問題など、いろいろな要因が複雑に絡み合っているためであり、解決は容易なことではありません。一体どうすればいいのでしょうか?
次回は、少子化問題への新しい取り組みについてお話します。