「埋もれた宝石」に出会える国 ウクライナ
今回のワールドカップでは,何人か特に注目されている選手がいます。2004年,2005年と2年連続世界最優秀選手に選ばれているブラジルのロナウジーニョ,前回大会得点王のロナウド,自身最後のワールドカップとなるフランスのエース,ジダンなどなど。。。そして,彼らとともに注目されている一人が,「ウクライナの矢」とも呼ばれる鋭いシュートで有名なアンドレイ・シェフチェンコです。
1991年の独立以来,ウクライナを初めてのワールドカップ出場に導いたシェフチェンコは,地元ウクライナのリーグで得点王になった後,1999−2000年シーズンから世界最高峰リーグと呼ばれるイタリア一部リーグ,セリエAでもトップクラスの人気を誇るACミランに移籍。
するといきなり1年目からリーグ得点王。その後もパロンドール(欧州最優秀選手)にも選ばれるなど,世界屈指の点取り屋として有名です,来シーズンからは,イングランド・プレミアリーグ屈指の強豪,チェルシーに高額の移籍金で移籍することが決まっています。
シェフチェンコの活躍もあり,ようやくサッカー界は注目されるようになったウクライナですが,観光地としてはまだまだ発展途上。日本でもほとんど知られていません。
そんなウクライナに私が興味を持ったのは昨年のこと。ウクライナのユーシチェンコ大統領が昨年の7月に来日した際に,ウクライナを観光目的で訪れる日本人にはビザを免除する旨,発表したのです。しかもビザ免除はさっそく8月から。
ロシアを含めて旧ソ連は,バルト三国を除いて訪問するにはビザが必要とされていたため,旅行するにしても色々と手続きが面倒だったのですが,ビザが要らないとなると,「行ってみるか」という気にもなります。ちょうど,昨年の旅行ではウクライナの隣国であるポーランドやルーマニアにも行く予定にしていたので,ついでに行ってみることにしました。
ルーマニアから20時間ほど列車に揺られて昼過ぎにようやくウクライナの首都・キエフに到着。
行く前は,旧ソ連ということで,薄暗いどんよりとした街をイメージしていたのですが,西欧の都市と変わらぬ大都会。
ただ,あまり都会の町には興味がないので,キエフでは,世界遺産に指定されている聖ソフィア大聖堂を観光しただけで,その日の夜には夜行列車で次の町に移動しました。
次に訪れた町こそ,「埋もれた宝石」と呼ばれる世界遺産の町・リヴィウです。
ウクライナ西部,ポーランドとの国境近くに位置するリヴィウは,歴史的にオーストリア・ハンガリー帝国の影響を受けてきたため,旧ソ連でありながら,西ヨーロッパの雰囲気を色濃く残しています。
世界遺産に指定されている歴史地区の中心にあるリノック広場には,真ん中にある市庁舎を広場に面して建っているルネッサンス様式の旧商館や貴族たちが住んだ家がぐるりと囲んでいます。
何気なく並んでいるこれらの建築物の多くは16世紀頃に建築されたものだそうで,500年近くの歴史を刻んでいることになります。一つ一つの建物を見ると,正面が真っ黒の家や,ベネチアの紋章で飾られた家など,バラエティに富んでいます。リノック広場ら20分くらい歩いて町はずれ高台「高い城砦」に登ってみると,中世の香り漂うリヴィウの町を一望することができます。
リヴィウは前回触れたチェコのプラハやチェスキークルムロフ,さらにはイタリアのフィレンツェなどとともに,中世ヨーロッパの雰囲気がオリジナルのまま現代に受け継がれている数少ない町の一つです。.
これらの町と違う点は,世界遺産に指定されている割にはそれほど観光地化されていないうこと。観光客で溢れかえって賑やかということはなく,路面電車がゴトゴトとのんびり走るような長閑な町です。
ウクライナでもひときわ輝くこの町は,確かに「埋もれた宝石」の呼び名に相応しいところです。ただ,ウクライナではキリル文字が使われているため,駅や町中の標識が理解しにくかったり,観光地化されていないため,英語が通じにくいという印象はありました。ただこういった不便を差し引いてもリヴィウは掘りおこす価値のある「埋もれた宝石」です。
ちなみにウクライナ,物価が激安。リヴィウで宿泊したホテルは日本円で1000円強。食事もディナーでフルコース注文しても1000円前後。旅行者の懐にもやさしい国です。
※写真1枚目:キエフ・聖ソフィア大聖堂
※写真2枚目:リヴィウ・オペラバレエ劇場
※写真3枚目:リヴィウ・ベネチア領事の邸宅跡
※写真4枚目:リヴィウ・リノック広場
※写真5枚目:リヴィウ・黒い石造りの館
※写真6枚目:リヴィウ・市庁舎の塔からリノック広場を見下ろす

