株式会社以外にもいろいろありますよ(後半)
今回は最終回ということで残りの合名会社、合資会社ついてご紹介していきます。
他にこんな会社もできます
新会社法の下で設立できる会社は全部で4種類です。株式会社と合同会社以外に、合名会社と合資会社という会社形態が可能です。
実は、株式会社と合名会社、合資会社は旧商法時代から認められていた会社です。合同会社は既にお話したように新会社法となって初めて可能となった会社です。では、これらの会社の違いを簡単にご紹介いたしましょう。
株式会社以外の3種類の会社をまとめて「持分会社」と呼びます。
また、株式会社は物的会社であり、持分会社は人的会社である、という言い方もします。物的会社・人的会社とはどの様な区別でしょうか。これは出資者と会社との関係から見た会社の区別です。つまり、出資者が会社と「物的」に繋がっていれば物的会社といい、出資者が会社と「人的」に繋がっていれば人的会社となります。
会社と物的に繋がるとは、会社とは金銭のみの関係であることを指します。株式会社がこれに該当します。出資者(株主)は経営に直接の関与をしませんよね。出資するだけです。反対に人的会社とは、出資者が自ら経営に直接関与する会社のことです。
会社と出資者が、出資のみならず経営を通して人的に繋がることになるのです。つまり人的会社では、出資者が自ら経営をします。
では人的会社である3種類の持分会社はどの様に区別されるのでしょうか。結論から言えば、出資者の責任により区別されます。
出資者の責任には「有限責任」と「無限責任」があります。例えば、会社が負債を抱え込み会社の資産で払えないとなったとき、会社の債権者は出資者に「払え」と言えるのでしょうか?これは出資者の責任が有限責任か無限責任かで異なります。
有限責任は文字通り、出資者の責任が「有限」である、すなわち「限度がある」ということで、その限度は出資の額です。つまり有限責任であれば、出資者は出資したお金は失うことがありますが、それ以上に会社が負った債務を払う必要はありません。
これに対して無限責任は文字通り、出資者の責任が「無限」である、すなわち「限度がない」ということで、会社が負った債務は出資者が際限なく責任を取らねばならないことになるのです。恐ろしいですね。
合名会社は出資者の責任が無限責任である会社です。合同会社は出資者の責任が有限責任である会社です。合資会社はその中間。つまり合資会社の出資者には有限責任を負う者と無限責任を負う者の両方が存在します(出資の際にどちらかを決めます)。ちなみに株式会社もLLPも出資者の責任は有限責任です。
持分会社は怖い?
出資者が無限責任を追及されることもある持分会社は、出資者にとって極めて恐ろしい存在なのでしょうか?
いえいえ、そんなことはありません。持分会社では出資者が自ら経営をします。個人事業主で企業活動していれば自ら経営し全責任をとることになりますから、自らの判断で経営ができる限り決して無限責任は恐ろしいものではありません。また、例え株式会社形態を採ったとしても、自分ひとりで全額を出資し自らが取締役となって経営するのであれば、個人事業主や持分会社の無限責任を負う出資者とほとんど変わりがありません。
このような株式会社が金融機関等と取引をする際には、社長(出資者でもある)の個人保証を必ずと言っていいほど要求されるからです。
要は、会社の規模や将来の展望、企業形態といったものに応じて適切と思われる会社形態を採用すればいいのです。大雑把に言えば、株式会社では会社法の規定によって出資者の権利や経営の仕方がかなり規定されてしまっているのに対し、持分会社であればほぼ自由に会社を設計することができます。あとは、お好み次第といったところでしょうか。
最後までお付き合い下さり、ありがとうございます。本稿がみなさまの一助になれば幸いです。
おまけ
熊さん 「定款の認証費用けっこう高かったね」
寅さん 「そうだねー。手数料と印紙税代で9万円かかったからね。あと、登記の税金が15万円だって」
熊さん 「資本金以外でも結構入り用だね」(注 そうですね。株式会社の設立には実費として20万円〜24万円程度は必要です)
猫さん 「持分会社やLLPなら公証人の認証はいらないし、登記の免許税ももっと安いわよ」(注 はい、例えば合同会社やLLPなら6万円程度の実費で設立できます)
熊さん 「えー!?そうなんだ。知らなかった」
寅さん 「ねえ、その「える・える・ぴー」ってどんなカイシャなの?」
猫さん 「・・・・・。LLPは会社じゃないのよ。二人とも(注 二匹だってば!)株主になる前に、ナレッジビレッジで知識をつけてらっしゃい」
・・・ちゃんちゃん。おしまい。

