水冷機器組立時の注意点
今回は、水冷ヘッドなどへのフィッティングの取り付けやチューブを接続する際の注意点、通水テストなどに触れます。
水漏れ事故を起こさぬためには
水冷システムの水漏れによる事故は、機器の不良による場合は少なく、そのほとんどが接続不備による漏れです。確実な接続を行えば水漏れ事故の大半は防げます。1.フィッティングの取り付け
水冷ヘッドや、ポンプ、ラジエターなどのIN、OUTの雌ねじに、フィッティングの雄ねじを勘合させます。手できつく回して止まるまでねじ込めば十分です。心配な場合はスパナで1/6回転程度まし締めします。 ※水冷ヘッドのトップカバーがプラスチック製のものでは、強くねじ込むとクラック(割れ)を起こすので、締めすぎないよう注意が必要です。
2.チューブの接続
フィッティングへのチューブ接続では、まず、チューブのカット面を直角に切断することが重要になります。カット面が斜めになると、フェールレス、プラグインどちらの場合も、シールが不完全になります。専用のチューブカッターの使用をお勧めします。 フェールレスでは、チューブ端がフィッティング全周にわたって突き当たるように挿入し、袋ナットを手で止まるまで締め付けます。無理な締め付けはチューブを傷めます。
プラグインは、チューブの外側で封止する仕組なので、直角に切断することも重要ですが、チューブの真円度を保つ(変形防止)ことが重要です。そこでチューブの内側に金属製のインサートリングを挿入します。
確実につなぐには、真っすぐにチューブを突き当たるまでプラグインに押込みます。突き当たったら引っ張って抜けないことを確認します。
※チューブの差込深さ不足では必ず水漏れします。確実に差し込んでください。外すときには、外側のリングを押し込んでチューブを引き抜きます。

3.水冷ヘッドの取付と通電前の通水テスト
・水冷ヘッドをCPUなどの熱源に固定します。
CPUやGPUなどの表面に水冷ヘッドが密着するように熱伝導グリスを均等に塗布しておきます。つぎに、予め水冷ヘッドに長さに余裕をもたせたチューブを接続しておきます。
※水冷ヘッドを固定してからチューブを接続してもよいのだが、チューブを押し込む際にCPUやGPUに無理な力が加わりCPUやGPUのチップを破損する恐れがある。


・水冷ヘッドをCPUに固定します。(固定冶具は、CPUソケットの種類により異なる)

・ポンプやラジエターにチューブを接続します。水路は直列(一直線)につなぎます。
[1.リザーバ]→[2.ポンプ]→[3.水冷ヘッド]→[4.ラジエター]→[5.リザーバへ戻る]
・マザーボードのメイン電源をはずしポンプに12V電源を接続します。リザーブタンクに水を入れます。※ポンプ駆動後に水を継ぎ足します。

・メイン電源ソケットに、電源強制起動用のプラグを差し込んでポンプを起動します。
※マザーボードには、電気は流れていません。

・通水した状態で、接続部分の水漏れの有無を確認します。通水したまま一昼夜連続運転を行います。一昼夜通水テストを行い漏れが認められなければ、以降安心して実用運転可能と判断できます。
※漏れが認められた場合には、直ちにポンプを止め接続をやり直します。また、マザーボードが濡れてしまったら十分に乾燥を行います(細かい部分には、エアーブローなどで水分を飛ばします)。
・実用運転時の水には水道水は使えません。必ず純水(薬局で入手可能な精製水でよい)を使います。さらに、電蝕防止添加剤を添加し電蝕を防止します。電飾が起こると水冷ヘッドやラジエターの金属部に穴が開いてしまいます。
※電蝕:電解液(水)を介して異種金属(水冷システムのケースではアルミニュウムと銅)が存在する環境では金属間に電位差が生じ、一方の金属が水に溶け出す現象。
・稼働直後では、経路中に空気が残っていますので、電源のオン/オフを繰り返してエアー抜きをします。また、ラジエターには大量の空気が残っていますので、前後左右にゆすって空気を追い出します。
・通水テストが済めば通常半年〜1年ぐらいは、特別なメンテナンスの必要はありません。目減りした分精製水を継ぎ足すだけです。

