[国際関係・国際法] 貿易新時代〜日本が生き残るためには?

アドバイザー:渡邉 剛央 / 国際法担当 LEC専任講師

 

Knowledge Village時事・社会 > 国際関係・国際法 > 貿易新時代〜日本が生き残るためには? > ドーハの悲劇再び?

ドーハの悲劇再び?

サッカーファンの方ならドーハの悲劇といえば日本がワールドカップ初出場を逃した事件としてご存知と思いますが,貿易の世界でもドーハの悲劇が起きかねない状況になっているのです。

関税引き下げの必要性

貿易を行う際の最大の障害となるのが関税です。関税が課されますとその分が価格に上乗せされますので,外国製品は国内製品に比べて割高になり売れなくなります。このため貿易の自由化を進めるためには,この関税の税率の引き下げが不可欠なのです。

関税引き下げの方法

関税を引き下げる一番単純な方法は,二国間で交渉して関税の引き下げに合意するというものです。しかしこの方法は世界のすべての国と一国ずつ交渉しなければならないため効率的ではありません。そこでGATTでは世界の国々が一カ所に集まって関税の引き下げについて話し合い,合意をするという方法がとられました。この多数国間交渉のことをラウンドといいます。現在のラウンドは,2001年11月にドーハにおける閣僚会議において新たに開始することが決められたため,ドーハ・ラウンドといいます。

難航するドーハ・ラウンド

ドーハ・ラウンドの正式名称はドーハ開発アジェンダといいます。これはその前のウルグアイ・ラウンドが先進国に有利であるという途上国の反発があったため,途上国の経済発展を今回のラウンドの目的の中心に置くことを明らかにするために名づけられました。ところがこの交渉が今非常に難航しています。その最大の原因は農作物貿易における国家間の対立が非常に激しいことです。途上国は農作物について特に先進国の市場開放を強く求めています。これに対してEUや日本は国内の農業保護を理由に反対しています。このためドーハ・ラウンドが妥結する見通しはいまだに立っていないのです。

再び二国間交渉の時代へ?

ドーハ・ラウンドに限らず,ラウンドが妥結するまでには非常に時間がかかります。こうした状況に嫌気をさした国々が,多数国間ではなく二国間で貿易の自由化について交渉を行うようになりました。この結果できたのがFTA(自由貿易地域)です。これがWTOや日本にとって大きな問題となるのです。

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.kv-jp.com/mt/mt-tb.cgi/143

ご意見・ご感想をお寄せ下さい

年齢 この記事の評価
性別 非公開 ナレッジビレッジの評価
今興味がある話題、今後この記事で読んでみたい、と思う事柄はありますか?
※ご質問等への対応は行っておりません。 (フリーコメント)