どの英語が正しいの?
結論からいうと、「正しい」英語の形というのは存在しません。イギリス英語のほうが「オリジナルの」「元祖の」形であるから、正しいと主張する純粋主義者的な考えもありますが、バラティーに富んだ英語が存在している現在、真のスタンダード英語などないのです。
確かに、イギリス英語とアメリカ英語には、発音の違いがあります。
トマト(tomato)は、イギリスでは ’to-mar-to(トマート)‘、アメリカでは ’to-may-to(トメイト)’ と発音します。
また、通常たいした問題にはなりませんが、スペリングの違いもあります。代表的なものは次のとおりです。
いずれにせよ、1つ覚えておくと良いのが、「あなたがどこにいるのか」「あなたの読者が誰なのか」ということを踏まえた上で、イギリス英語かアメリカ英語の選択をして、一貫性を持って使うということです。
ただし、これは主にスペリングと文法上の分類だと考えてください。同じイギリス英語や、アメリカ英語の間でも、話し言葉、とくに発音と方言には大きな違いがあります。
「インド」英語は、「イギリス」英語には聞こえないし、同様に、「リベリア」英語も「アメリカ」英語とは似ていません。
数々の(旧)イギリス領では英語を公用語としていますが、彼らはそれぞれ独自の英語を発展させているのです。
仮に、オーストラリア人やカナダ人に対して、彼らの話す英語が、「イギリス英語」なのか、「アメリカ英語」なのか、なんていう質問をしたら、それはとても失礼にあたりますよ。
第1回の冒頭で紹介したオスカー・ワイルドの言葉、「今の時代、イギリスとアメリカの間に違いは全く無いといって良い。もちろん、言葉を除いては。」は、現在の英語についての真実を語っているようです。
しかし、実際にはそれほどややこしいものではありません。多くの場合、(理論上では!)どこの出身であろうが、英語を話す人々の間でコミュニケーションに支障はないはずです。ちょっと説明を加えることで、たいていは誤解を解くことができます。
今後ますます、メディア(BBCニュース、CNNニュース、ハリウッド映画など)や、インターネットのようなIT技術によって、世界の人々の接点がどんどん増えていけば、イギリス英語、アメリカ英語で共有する言葉も増えるようになり、さらに、言葉だけでなく、考えや知識、文化を分かち合うことができるでしょう。
スペリングの違い
| イギリス | アメリカ | 意味 |
| Colour | Color | カラー、色 |
| Flavour | Flavor | 味わい、風味 |
| Neighbour | Neighbor | 隣人、近所の人 |
| Theatre | Theater | 劇場、映画館 |
| Centre | Center | 中心、核心 |
| Defence | Defense | 防衛、弁護 |
| Offence | Offense | 違反、攻撃 |
| Catalogue | Catalog | カタログ、目録 |
| Dialogue | Dialog | 会話、対話、せりふ |
誰がどの英語を使うの??
<イギリス英語> イギリス英語(英連邦英語)は、イギリスの旧植民地で使用され、教えられているという主な理由から、世界的にはアメリカ英語よりも普及しています。 <アメリカ英語> アメリカ英語は以下の国や組織で使用され、教えられています。イギリス英語とアメリカ英語
| イギリス英語 | イギリス、欧州連合(EU)、アフリカの大部分、カナダ、パキスタン、インド、
バングラデシュ、オーストラリア、ニュージーランド、中東(イスラエルを除く)、 香港、ビルマ・ミャンマー、シンガポール、マレーシア、タイ、スリランカ、 北大西洋条約機構(NATO)、国際連合(UN)、世界貿易機関(WTO)、 国際オリンピック委員会(IOC)、国際標準化機構(ISO) |
| アメリカ英語 | アメリカ大陸全土(カナダ、ジャマイカ、バハマを除く)、日本、フィリピン、 韓国、台湾、リベリア、世界銀行(the World Bank)、 米州機構(the Organization of American States) |

