違法駐車取締りの民間委託スタート
従来,違法駐車の取締りの際には,当該車両のタイヤにチョークで目印をつけ駐車状況を確認し,一定時間後に黄色い標章を取り付ける方式を採用していました。身に覚えのある方も少なくないでしょう。
これが6月1日以降は,放置車両を見つけ次第,猶予期間をおかずにその場で違反が確定するものに変わりました。
今回施行された改正道交法による新たな駐車対策法制は,良好な駐車秩序の確立と,警察力の合理的再配分を目指すもので,大きく分けて2つの柱を内容としています。
1つは,「放置車両についての使用者責任の拡充」です。車両の使用者の責任を強化し,放置駐車違反について運転者が反則金の納付をしないときなどは,公安委員会は車両の使用者に対して放置違反金の納付を命ずることができることとなりました。
もうひとつは,「違法駐車取締り関係事務の民間委託」となったことです。放置車両の確認と標章の取付けを,警察官又は交通巡視員に行わせるほか,民間に委託することができることとするなど違法駐車取締り関係事務の範囲が拡大されました。これにより道路渋滞や交通事故を誘発する違法駐車の減少を図っていくことが期待されています。
マスコミでは,新たに取締り用に導入した機器のトラブルですとか,民間監視員とドライバーとの間のトラブルなどがもっぱら取り上げられていますが,今後の考えていくべき問題は,委託された民間機関が天下りの温床になるという懸念や,さらに,これまで日本の物流を支えていた運送業界のあり方(一時駐車は当たり前という状況)でしょう。
もっとも,さらに大きな問題点は,このような形の民間移管がどこまで機能できるか,ということにあります。現在,公立保育所経営の民間移管なども各自治体で進行していますが,社会問題となったマンション耐震偽装問題などは,民間移管・行き過ぎた規制緩和のせいではないかという意見もあります。違法駐車問題の今後について,注目していってください。

