[会計知識の基礎] ビジネス社会で一歩先を行く会計入門

アドバイザー:川原 尚子 / 公認会計士、税理士

 

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会計的なものの見方と企業価値

ビジネスパーソンである貴方・貴女が、競争の激しい現代ビジネス社会で一歩先を行こうとするなら、どうしたらよいでしょう。それには会計の知識を身に付け、会計的なものの見方を養うことも重要な選択肢の一つでしょう。

会計は資本主義経済社会の根幹を支えるスキルです。これまで会計は経理業務にかかわる人だけの特別なスキルとされ、ある程度の簿記を勉強することでわかる簡単なものと思われていたかもしれません。しかし、資本主義社会の構造の複雑化と国際経済社会の進展に伴い、ビジネスに関わる法律はもとより会計も一層複雑になってきました。いまや会計の知識はビジネスに関わる人にとって非常に有用でかなり高度な専門的なスキルとなりました。企業活動の様々な局面に密接に関わる会計の知識やものの見方は、ビジネス社会の様々な事象の本質をより深く理解し、将来を見通すにはとても役立つでしょう。多くの優れた経営者が企業活動をとらえる重要なものさしとして会計の知識を有意義に活用していることは言うまでもありません。

さて、このシリーズでは、最近の会計や資本市場におけるトピックスで取り扱われている会計や資本市場のキーコンセプトをご紹介します。初回である今回は「企業の価値」についてです。

まず、企業の価値とは何をいうのでしょうか。基本的には経済的主体である企業の全体としての価値をいいます。企業が経済的に創出する価値が大きければ、その価値が大きいと概念的にいえるでしょう。しかし、具体的な定義や測定方法には様々なものがあります。

例えば、ア)資本市場で資金調達をする上場企業の場合、株価や株式時価総額が唯一の企業の市場価値と考えられがちです。「株価を高めることが企業価値を高めること」と同義に捉え、本来あるべき事業価値の創造よりも株価の上昇を意識する経営者も昨今見られます。また、イ)財務諸表の一つでありある時点での企業の財政状態を表す貸借対照表に関連して導き出した価値をいう場合もあるでしょう。さらに、ウ)企業のビジネスにおけるリスクやリターンを評価して、どれだけ将来キャッシュ・フローを生み出せるかをもって企業価値であるという場合もあります。特に、合併買収する場合など、将来のビジネスシナジーや市場戦略を考慮し、ビジネスをどのように評価するかが重要になるでしょう。このように企業価値には様々なものがあります。企業価値が評価されるのは、企業再編のための合併買収や事業評価、株式交換・移転・分割、第三者割当増資、新規株式公開、自社株の買取などの場合がありますが、一概にどの場合はどの方法をとるべきという制約は見られず、どのような評価によって企業を評価するかの方針が異なればおのずと企業価値は異なってくるといってよいでしょう。

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