[村上ファンド事件] 村上ファンド事件に潜む不正の実態

アドバイザー:倉井 泰将 / 税理士・ファイナンシャルプランナー

 

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モノ言う株主から一転…、村上ファンドの結末

2005年1月28日、当時のライブドア取締役熊谷史人容疑者から村上容疑者に、「ニッポン放送の外国人株主の状況を教えてほしい」と電話が入りました。これは、前回のコラムの最初にふれた、放送業界の外資規制を意識したものということは、村上容疑者も当然分かったのです。これでライブドアがニッポン放送の株式を大量取得することは確実。村上ファンドはここで一転、今まで買い集めたニッポン放送株の売却時期を探る方向に進んでいきます。

一方、ライブドアは2月8日、ニッポン放送買収のための資金およそ800億円をリーマンブラザーズ証券から調達することを決定。調達後すぐにライブドアは、立会外取引(証券取引所の売買時間外(午前8時20分から午前9時、午前11時から午後0時30分及び午後3時から午後4時30分)において、電子取引ネットワークシステムを介して行う売買制度のことで、個別銘柄の大口取引等に利用される)で、ニッポン放送株の買い注文を出しました。これに対して村上ファンドは、保有株およそ500万株のうち125万株程度のニッポン放送株の売却を指示、それ以降も通常の株式市場での売買で、次々とニッポン放送株を売却し、結局2月10日までに持ち株500万株の大半を売り抜けたのでした。

村上ファンドのニッポン放送株の取得平均単価は5000円程度と考えられており、2月8日の立会外取引で売ったのが6000円台半ば、そして持ち株の大半を売り抜けた2月10日のニッポン放送の終値は8800円。ファンド設立当初から、ニッポン放送とフジテレビの資本関係に目をつけて約5年。ライブドアを巻き込むことにより、ようやくファンドとしての成果(100億円を超える株式売却益)をあげることができたのです。

最初のコラムにも書きましたが、村上ファンドのニッポン放送株の売買は、完全なインサイダー取引でした。ライブドアにニッポン放送株の買占めを勧め、当初は協力関係を結ぶかのような話し合いをしていたにもかかわらず、実際には、ファンドの利益獲得のために、ライブドアにファンドの持ち株を高く売りつけ、ファンドとして結局100億円を超える株式の売却益をあげたのです。この一連の流れを見ていると、インサイダー取引としての違反はもちろん、詐欺的な行動ともとれる今回の村上ファンドの行動。村上容疑者は当初、モノ言う株主として高い評価を受けていたものの、結局は金儲けのために犯罪行為に及ぶという、何とも情けない幕切れになってしまったのです。

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