あなたを守る「紙」〜公正証書〜で事前予防
・・・契約書だけではダメなんです。だから公正証書を作りましょう・・・
「なあ、今日は約束の返済日だろう。ちゃんと返してくれよ」
「え、何のこと?」
「とぼけてるのか。1週間前に貸したお金だよ」
「ああ、あれね。じゃあ、10万円だけ返すよ」
「ふざけてるのか!貸したのは20万円だろう!」
「10万で勘弁してくれよ」
「勘弁できるわけないだろう。ほら、これを見てみろ。20万円の貸し借りをしたことがきちんと契約書に書いてあるだろう」
「知らないね」
「なんてやつだ。払わなかったら訴えるぞ!」
「どうぞ、どうぞご自由に。ただ、訴える費用とか時間とか考えるとこれっぽっちの金額だったら割に合わないんじゃないの?それよりも10万だったら今日手に入るわけだし、それで我慢しときなよ」
「・・・・」
こんな話、実はけっこうあるんです。
最近、みなさんの権利意識の高まりとともに、「契約書をキチンと交わして後でトラブルにならないように」と考える方が増えています。しかし、契約書を作成すればそれだけで安心かというと、そうでもないのです。契約書だけで相手にすぐに支払わせることができるわけではないのです。したがって、冒頭のように、相手がかなり悪質であった場合には対処に困ります。少額訴訟など簡易迅速に司法手続きを進める方法が整備されてきましたが、それでもやはり「訴訟」で争っていくには時間も費用もバカにならないのが現状です。
そんな中、注目したいのが「予防法務」の考え方です。カゼをひいてから薬を飲むという発想ではなく、カゼをひかないよう事前に予防する、つまりトラブルが起きてから対処するということではなく、トラブルがおきないようにしておくというという意識が大切なのです。この予防法務に役立つ代表的な制度として「公正証書」を紹介しましょう。公正証書は、法律の専門家である公証人が法律に従って作成する公文書で、高い証明力があります。たとえば金銭の貸借や養育費の支払など金銭の支払を内容とする契約の場合、債務者が支払をしないときには、通常ならば裁判を起して裁判所の判決等を得なければ強制執行をすることができません。
しかし、公正証書を作成しておけば、すぐ執行手続きに入ることができます。裁判を起こす必要すらないわけです。
委任状や印鑑証明を用意してもらえれば、代理人に頼むこともできますので「この相手は約束を破りそうだ」という感触がある場合には、特に公正証書を作成しておくとよいでしょう。公証役場での作成手数料は下記の通り。比較的安い費用で大きな安心を獲得できます。
権利の上に眠っていては誰も助けてくれません。自分の権利は自分で守る。それをサポートするのが「公正証書」なのです。
【法律行為に係る公正証書作成の手数料】
| (目的の価額) | (手数料) |
| 100万円以下 | 5000円 |
| 100万円を超え200万円以下 | 7000円 |
| 200万円を超え500万円以下 | 11000円 |
| 500万円を超え1000万円以下 | 17000円 |
| 1000万円を超え3000万円以下 | 23000円 |
| 3000万円を超え5000万円以下 | 29000円 |
| 5000万円を超え1億円以下 | 43000円 |
以下省略

