子どもに関する意識調査〜子どもを持たない夫と妻
前回に引き続き、2004(平成16)年に実施された厚生労働省「少子化に関する意識調査研究」のなかから、今回は子どもをもつことに関する意識調査結果について考えてみます。
理想の子どもの数と持つ予定の子どもの数のギャップは女性の方が大きい
まず【表3-1】は、今後子どもを持ちたいか、また、理想の子どもの数と実際に持つ予定の子どもの数を質問した結果です。今後子どもを持ちたいかに関しては、若年の独身者では男女とも8割以上が肯定しています。しかしその一方で、子ども無し夫婦では、夫の約3分の2が子どもを持ちたいと考えているのに対し、妻は約3分の1にとどまっており、大きな意識の差が表れています。
理想の子どもの数は、2人前後かそれ以上となっており、その理想どおりに子どもを持てば、我が国の人口は維持できる水準にあると言えます。しかし、実際に持つ予定の子どもの数は、全ての区分において理想を下回っており、特に子ども無し夫婦と子ども1人夫婦の妻において、そのギャップの大きさが目立ちます。全般的に見ても、男性より女性の方が、理想の子どもの数と実際に持つ予定の子どもの数のギャップが大きくなっています。
「経済的負担」「高年齢出産」が子どもを持たない主な理由だが・・・
次に【表3-2】ですが、【表3-1】の結果を受けて、実際に持つ予定の子どもの数が理想より少ない理由(複数)を質問した結果になっています。全般的に「経済的負担が大きいから」と「高年齢出産になるから」が上位を占めています。子どもの数が増えるに伴って経済的負担も増えるというのは当然の結果と言えるでしょう。
子ども無し夫婦では、男女とも同じ順位となっていますが、5位に「将来が子どもにとってよい環境とは思えない」という理由が入っているのが特徴的です。これは生理的・体力的な問題として子どもができないというよりも、子どもが不幸になるから「意識的に」子どもを持たないということでしょうか。また、子ども複数夫婦では「時間のゆとりがなくなるから」「心理的負担が大きいから」といった理由が上位にランクされています。
そして最後に、【表3-2】の数字だけをざっと眺めると、特に子ども1人夫婦を中心に、女性の方が男性よりも高い数字が並んでいます。つまり、複数回答において、女性の方が子どもを持たない(持てない)多くの理由を挙げているからであり、このことは、女性の方が子どもを持つことに対する不安が大きいことの表れと解釈できます。「経済的負担」「高年齢出産」といった、ある意味当然とも言える理由の裏には、こうした夫婦間の微妙な意識のギャップが隠されているのです。



