[身近な法律知識] あなたを守る「紙」の力

アドバイザー:福井 識章 / 行政書士

 

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本気の請求は支払督促で

・・・支払督促を無視するとその内容が確定してしまいます・・・

「この前から、身に覚えのない請求が多いんだよ」
「最近、架空請求とか増えているよね」
「うん、まぁ、ややこしくなっても困るから放っているけどね」
「まったく心当たりのないハガキだったら捨ててしまえばいいよね。で、どんなハガキが届いたの?」
「これ、見てよ。わざわざ裁判所から送られてきたんだよ」
「え、裁判所から・・・。これって支払督促だよね。放っておくとまずいんじゃないの」
「そうなの!?」

 第1回でご紹介した「公正証書」があれば、相手が約束を破ると裁判を起こすまでもなく権利を実現できます。しかし、そんなにうまく公正証書を作成できるとは限りません(公正証書を作るには相手の印鑑証明や実印も必要ですから・・・)。
 そんなときは、第2回で紹介した「内容証明」を出せば一応相手に心理的なプレッシャーをかけることもできます。しかし、内容証明は無視をされてしまえばそれ以上のことを強力に請求していくことはできません。
 さて、自分の権利をどうしても実現したい、「本気だ!」というときに使うとよいのが「支払督促」です。
 支払督促は郵便局から出す内容証明とは異なり、裁判所(簡易裁判所・地方裁判所)から相手に送付されるものです。裁判所というと普通なら原告・被告双方の言い分を聞いて裁判官が判断してくれるものですが、支払督促を送る場合はこちらの言い分を一方的に聞き入れてくれ、その通りの内容で督促を送ってくれます。そして、支払督促を送ってから一定期間以内に相手からの異議が出てこなければその書いている内容で権利が確定します。ですから冒頭の例のように支払督促を無視すると、たとえそれが架空のものであってもその通りの内容に決まってしまいます。異議を申し出ることを忘れずに。
 ところで、相手の言い分をまったく聞かずに権利を確定することは乱暴ですから、相手の方から「異議の申し出」をする機会を広く認めています。支払督促を受けた相手は、具体的な反論の理由を書かなくても単に「納得いかない」とだけ書けばそれで異議が認められるのです。
 異議が出た場合は通常の裁判手続きに入っていくことになります。したがって「裁判になってもかまわない」という場合や、「どう考えてもこちら側の言い分が100%正しい」という場合などに使うとよいでしょう。
 自分の権利を守るためのいろいろな道具が用意されています。あなたの持つ小さな権利が死んでしまわないように、状況に応じて適切な対応を検討されるとよいでしょう。

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