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確率で考える販売戦略

今回は「確率の話」の最終回です。私達がものごとを決断するときは,最後は迷った挙句に「目を瞑ってエイや」と決めてしまうことが結構あります。これが凡人の凡人たる所以なんでしょう。会社の経営者となると「エイや」と決めるわけにはいきません。そこで,もっと合理的に判断できる方法はないかという要望が当然でてきます。そのような合理的判断方法の1つに「期待値原理」というものがあります。今回は,その期待値の話です。

ある弁当屋さんでは,400円の弁当と,700円の弁当と1,000円の弁当を売っています。この弁当屋さんの弁当の平均価格は(400+700+1,000)÷3=700(円)となります。本当にこの計算でよいのでしょうか。ある日,この弁当屋さんでは,400円の弁当が120個,700円の弁当が60個,1000円の弁当が20個売れたとします。1個平均700円とすると,700円×200個=140,000円も売れたことになり,実際と合わなくなります。では,この日の1個当たりの平均はどうすればよいかというと,(400×120+700×60+1000×20)÷200=550(円)とすれば,実際に平均値が求められます。この平均の計算では,各弁当の価格に個数を掛けましたが,この個数を「重みをつける」といい,求められた平均値を「加重平均」といっています。物価計算も加重平均を使っています。

ここで,先ほどの計算を,つぎのように変形してみます。

400×120/200+700×60/200+1000×20/200

120/200は120÷200を意味しています。この計算は,400円の弁当の売れた個数の割合を表していますが,同時に400円の弁当が売れる「確率」も表しています。したがって,この計算は,各弁当の価格(これを確率変数といいます)に確率を掛けたものを合計していることになります。この結果を期待値(または期待金額)といいます。弁当が1個売れたときに期待できる収入を表しています。いくつかの選択肢ごとの期待値を計算して,期待値が最大になる選択をすることを,「期待値原理」といっています。

さて,前回の宿題ですが,この「期待値原理」に基づいて,買うか買わないか判断してみましょう。宝くじを1本買ったときの期待金額を求めると,

1000×10/1000+0×990/1000=10(円)

となり,1本買ったときに,10円しか期待できません。この宝くじは1本50円ですから買わないほうがよい,ということになります。これから,ものごとを決めるときには「期待値原理」に基づいて決定してはいかがでしょうか。

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