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同じ銘柄を何回も売買した場合の税金計算をしてみよう!

前回のコラムでは、A銘柄、B銘柄、C銘柄という、異なる3つの銘柄の株式を売却して、儲けや損失が出た場合の税金計算について考えましたが、今回は、一つの銘柄について、何度も繰り返し売買をした場合の税金計算について考えてみたいと思います。

【税金計算】

所得税の結論からいうと、「取得費(買値)は、総平均法に準ずる方法により計算する」ことになっています。この言葉だけ見ても意味が分からないので、また具体的な数字を使って確認してみたいと思います。

例えば、D銘柄について、今年一年間、次のような売買をしたと仮定します。

<例>

1月23日 1株50万円で購入
4月 5日 1株60万円で購入
6月 7日 1株70万円で売却
8月 9日 1株67万円で購入
10月11日 1株75万円で売却

まず、1月23日と4月5日、D株式を1株ずつ購入していますが、これは所得税の計算には関係ありません。なぜなら所得を計算する必要があるのは、株式を「売却」したときだけで、「購入」しても税金はかからないからです。ということは逆に、6月7日の1株70万円での売却については、儲けを計算する必要があります。

6月7日の時点で、手元にはD株式2株があり、そのうち1株を売却しています。考え方としては2通りあると思います。

1月23日に買った1株を売却したと考える…70万円−50万円=20万円の儲け

4月5日に買った1株を売却したと考える…70万円−60万円=10万円の儲け

いろんな株主さんがいると思うのですが、ある株主さんはたくさん儲かった気分を満喫したいということで、1月23日に買った株券を売ったつもりの人もいるでしょうし、いや、儲けが大きいと税金も高くなるので、儲けは少ないほうがいいと考える賢い株主さんなら、4月5日の株券を売ったことにするかもしれませんね。

ところが、税金計算上はどちらも間違いになります。理由は、最初の所得税の言葉をもう一度読み直してください。「総平均法」という言葉があったと思います。6月7日の時点では、D株式を2株持っている状態ですが、どっちの株券を売ったかと考えるのではなく、2株の買値の平均を計算して、それを基に今回いくら儲けたかを計算することになるのです。つまり、1月23日に買った株券の買値は50万円、4月5日に買った株券の買値は60万円なので、その平均を計算してください。

(50万円+60万円)÷2株=55万円

これが1株当たりの平均取得単価になるので、6月7日のD株式1株の売却についての儲けは、

70万円(6月7日の売却価格)−55万円=15万円ということになります。

では、その後さらに2回の売買があるので、また儲けの計算をしてみてください。考え方は先ほどと同じになりますが、8月9日はD株式の「購入」なので、税金計算とは関係なし、そして10月11日の売却について、儲けの計算をしていくことになります。

10月11日の売却直前には、D株式を2株保有していて、そのうちの1株を売却したのですが、この場合の2株保有の平均取得単価をどう考えるかが、一番難しいところだと思います。先ほど確認した「総平均法」という言葉をそのまま使った場合のD株式の平均取得単価は、

 {50万円(1月23日購入分)+60万円(4月5日購入分)+67万円(8月9日購入分)}÷3株=59万円となりますが、これでは間違いになります。

そこでもう一度、最初の所得税の言葉を読み直してください。実は、「総平均法に準ずる方法」なのです。「総平均法」ならば59万円が正しいのですが、総平均法に「準ずる方法」が計算を難しくしています。では、正しい計算をしてみます。

まず、今日は10月11日だと思ってください。今日からみて、その前の売却のときのことを考えてください。その前の売却というのはつまり、6月7日のことになります。6月7日には、平均取得単価55万円のD株式を2株持っていて、そのうち1株を売却したと考えたのです。ということは逆に考えると、取得単価55万円のD株式が1株手元に残ったのだと考えることもできますよね。

そしてその後、8月9日に67万円でさらに1株D株式を購入しました。現在(10月11日)の平均取得単価は、

{55万円(6月9日に計算した平均取得単価)+67万円(8月9日購入分)} ÷2株=61万円

これが、10月11日に売却したD株式の平均取得単価になるのです。したがって、10月11日のD株式11株の売却についての儲けは、

75万円(10月11日の売却価格)−61万円=14万円 ということになるのです。

そして、このD株式が上場株式ならば、前回のコラムにも書きましたが、税率は所得税7%、住民税3%なので、

15万円(6月7日の儲け分)+14万円(10月11日の儲け分)=29万円の儲け

所得税 29万円×7%=20300円

住民税 29万円×3%= 8700円

合計29000円の税金がかかることになります。

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