秋篠宮家親王誕生と皇位継承問題
2006年9月6日、皇族の秋篠宮家に親王が誕生しました。秋篠宮文仁親王以来、男性の皇族の誕生は約41年間もなかったために、同日は街頭では号外が配布され、海外のマスコミでも大々的にこのニュースを取り上げたようです。
こうした一連の報道によると、内親王(女児)ではなく親王(男児)が生まれたので、皇位継承問題はひとまず決着したというような記事が目に付きました。
皇位継承問題は、2004年に小泉首相の私的諮問機関「皇室典範に関する有識者会議」が設置されるなど、親王誕生以前から取り上げられていました。
女性天皇を認めるべきかという議論がテレビなどで行われていたことも記憶に新しいと思います。
だけど、そもそも天皇の継承はどのように決定されるのでしょうか。
憲法2条では「皇位は、世襲のものであつて、国会の議決した皇室典範の定めるところにより、これを継承する」としています。
これによれば天皇は「世襲」なので、天皇の子孫が皇位を継承することになり、細部は皇室典範で規定するわけです。皇室典範とは、制定および改正を国会が行う法律の一種です。
皇室典範1条では「皇位は、皇統に属する男系の男子が、これを継承する」と定めており女性天皇を認めていません。これが男系天皇制の根拠となっています。そして、皇長子、皇長孫、その他の皇長子の子孫、という順序で皇位継承順位が決められています。この度の親王誕生によって、皇位継承順位は、皇太子(第1位)、秋篠宮文仁親王(第2位)に続き,第3位は誕生したばかりの秋篠宮家親王となりました。
ところで、親王が誕生したことは喜ばしいことですが、40年以上も男性皇族が産まれなかった現状では、いずれ皇室典範を改正しなければ皇位継承資格者どころか皇統が断絶する可能性があります。
そこで、皇位継承を男系男子のみに限定する皇室典範を改正しようとする意見がでてきました。
今日のわが国では男女同権が原則であり、過去には推古天皇をはじめ8人の女性天皇が在位したという事実もありました。諸外国をみても王制を採用しているイギリスやオランダなどいくつかの国で女性の王位継承を認めています。
こうした状況から、皇室典範改正の必要性は十分に認識されており、どのように改正するかが議論の中心となっています。
対策として議論されているのが、男系のみならず女系子孫にも皇位継承資格を認める女系天皇案です。
女系天皇とは、天皇自身の性別は関係なく、両親のうち母のみが皇統に属する天皇をいいます(女性天皇は女性の天皇のことを指します)。
また、女系天皇案以外にも、皇籍離脱した者を皇籍復帰させ、男系継承を維持する皇籍復帰案も主張されています。
いずれの案が理想的なのか簡単に結論をだすことはできませんが、少子化問題や、これから波及する家督相続問題が顕著となっている日本では皇室も例外ではないようです。
皇位継承問題は親王誕生で決着したわけではなく、決着をつける猶予が与えられたともいえるでしょう。
慶事の背景にある深刻な問題について、他人事とは思わずに真剣に考えてはいかがでしょうか。

