スウェーデン・ストックホルム〜『魔女の宅急便』の舞台〜
日本が世界に誇る文化であるアニメ。その中でも,アカデミー賞を受賞したこともある宮崎駿監督の作品は別格です。私は特に『未来少年コナン』『ルパン三世・カリオストロの城』や『天空の城ラピュタ』といった冒険系の作品が大好きで,何度観たか数え切れないくらいです。 そんな宮崎駿監督作品の中に『魔女の宅急便』という映画があります。1989年に公開されたこの映画は,松任谷由実が歌う主題歌とともに一人の魔女の成長を描くほのぼのとした作品ですが,この映画,大きな時計塔が印象的な港町が舞台となっており,以来,「『魔女の宅急便』の舞台となった街はどこ?」という疑問をなんとなく抱えていました。
ところが昨年,何気なく『魔女の宅急便』を制作したスタジオジブリのHPを見ていたら,『魔女の宅急便』の制作にあたって,スウェーデンのストックホルムを「大いに参考にした」と書いてあるではありませんか!!!
そこで,昨年秋の旅行では,エストニアのタリンから空路,ストックホルムに立ち寄ることにしたのです。
スタジオジブリのHPには,ストックホルムのどこを参考にしたかといったことまでは書いてありませんでしたが,おそらく,世界遺産にも指定されているガムラ・スタン(「旧市街」の意)だろうという想像はつきました。ガイドブックに,ガムラ・スタンにある大きな塔が,映画『魔女の宅急便』に出てくる大きな時計塔と似ていたからです。
ついに『魔女の宅急便』の舞台の街に来たぞ!とワクワクしながらストックホルム到着してまずびっくりしたのが,その物価の高さ。まず空港で売っていたサンドイッチが500円以上するのにびっくりしたのを皮切りに,市内に出てセブンイレブンで簡単な朝食を買ってみると軽く1000円を超える始末。これはマズイ!と思って,できるだけ安宿に泊まろうと思い,いくつか若者向けの共同部屋のホステルを当たってみたのですが,どこも5000円近くすることが分かり,早々に節約はあきらめモード。
前日まで物価の安いエストニアにいたことも手伝って,なんだか急に貧乏になったような悲しい気分になってしまいました。極めつけは地下鉄。さっそくガムラ・スタンに行こうと思って地下鉄に乗ろうとしたら,なんと初乗りが日本円にして約600円!!! 東京の地下鉄の4倍近くするこの料金にゲンナリして,結局ガムラ・スタンまで歩いて行くことにしました。
ホステルからガムラ・スタンに行く途中に,毎年12月に行われるノーベル賞受賞者の晩餐会が開催される市庁舎があったので,まずはそこを観光。市庁舎で圧巻だったのは,壁一面が金箔のモザイクで彩られた黄金の間。この部屋はノーベル賞授賞式の舞踏会会場として使われるそうです。ちなみにこの市庁舎の窓枠のデザイン,映画の最後,主人公のキキが飛行船から落ちるトンボという少年を空中でキャッチするシーンのバックに描かれている建物の窓枠のデザインとウリ二つです。
次に向かったのが,ストックホルム発祥の地といわれるガムラ・スタンです。ガムラ・スタンに一歩足を踏み入れると,さすが世界遺産に指定されているだけあって,そこは歴史を感じさせる重厚な石造りの建物と石畳の街。中世の町並みを堪能しながら路地をしばらく進むと,ついに大きな時計がついた塔を発見。
15世紀に建てられたという大聖堂の塔は,その先端部分のデザインなどが映画で登場する時計塔とそっくりです。塔を取り囲むように入り組んでいる石畳の路地も,映画にたびたび登場する路地の雰囲気ととても似ていました。
ただ,一つ残念だったのは,スタジオジブリのHPで,ストックホルムとともに『魔女の宅急便』の舞台として挙げられているゴトランド島ヴィスビーの町に行けなかったこと。ストックホルムの沖,バルト海に浮かぶこの島も世界遺産に指定されており,ハンザ同盟の中心地として栄えた13世紀前後の街並みや城壁がきれいに残っているそうです。ガイドブックを見てみると,『魔女の宅急便』の舞台となった街は,ストックホルムと都会的な面とヴィスビーの町ののんびりとした面をミックスしたような感じ。『魔女の宅急便』の舞台探しを完結させるためには,ヴィスビーにも行く必要がありそうです。
写真1枚目:ガムラ・スタン
写真2枚目:ストックホルム市庁舎
写真3枚目:ストックホルム市庁舎・黄金の間
写真4枚目:ガムラ・スタン 大聖堂の塔

