ICJとICC 2つの国際裁判所〜日本が国際刑事裁判所に参加する方向へ〜
今回は,少し硬い話になりますがお付き合いください。
皆さんは国際的な裁判所をご存知でしょうか?主要なものが2つあります。
1つは,国際司法裁判所(International Court of Justice,略称ICJ)で,国際連合の常設司法機関です。設立は1946年と古く,オランダのハーグに本部があります。扱うのは国家間の紛争で,これを裁判により解決していきます。判事には,国籍が違う15人が選ばれ,現在,雅子皇太子妃の父である小和田恆氏もその1人となっています。日本は1956年に当事国となっています。
もう1つの裁判所は,2002年7月に設立条約が発効して発足した国際刑事裁判所(International Criminal Court,略称ICC)です。こちらも本部はオランダのハーグにありますが,その目的はICJとはかなり異なります。ICJがあくまでも国家間の法的紛争を扱うのに対し,ICCは,大量虐殺や捕虜の虐待といった戦争犯罪などを犯した個人を裁くことを目的としています。対象となる犯罪は,ジェノサイド(集団虐殺)罪,人道に対する罪(性暴力犯罪など),戦争犯罪,侵略の罪(定義未定のため対象犯罪に含まれず)となります。
と,ここまでが予備知識でこれからが今回の本題です。
実は,日本は,平和国家でありながら,このICC設立条約に加盟していませんでした。未加盟の理由としては,加盟後負担すべき分担金の割合が高すぎること,同盟国であるアメリカがこのICCに対して否定的であるため,調整を図る必要があったこと,などが挙げられていました。
このような日本政府の姿勢は,日本国内ばかりでなく,海外からも批判されていたわけですが,ここにきて政府は,ようやく戦争や非人道的な行為の根絶を訴える立場から,ICCに加盟する方針を固めました。2007年の通常国会での承認を求め,あわせて国内法の整備に入ります。また,2007年度予算の概算要求で国際刑事裁判所への分担金19億8,000万円も計上する予定です。
なお,ICCは,死刑を廃止したヨーロッパ諸国主導で設立されたことから,最高刑は終身刑で死刑は存在しません。このことも今後議論を呼ぶことになるかもしれませんね。

