自民党総裁と内閣総理大臣〜総理大臣は、どう選ばれるのか?〜
2006年9月20日に,自民党総裁選挙の開票が行われ,当時,内閣官房長官だった安倍晋三候補が第21代総裁に選出されました。
新聞やテレビでは,戦後生まれの総裁が誕生したと大々的に報道していましたので,記憶に新しい方も多いことと思います。
そして,9月26日には安倍首相が率いる安倍内閣が誕生しました。
ところで,「自民党総裁」とは,「自民党の国会議員および党員・党友等による選挙によって選出される党の最高責任者」であり,党首に相当します。
ではどうして,自民党総裁が行政権の長である「内閣総理大臣」になるのでしょうか。
憲法によると,内閣総理大臣に就任するためには,国会議員であることと,国会で指名されることが必要です。もちろん,自民党総裁を首相にするというような規定は存在しません。したがって,民主党や公明党の「代表」,日本共産党の「委員長」,社民党の「党首」など他の政党のリーダーが内閣総理大臣になることも可能です。
しかし現在は,衆議院における最大勢力の政党の党首が首相に指名されることが一般的です。2006年9月現在での国会の最大勢力は自民党ですから,国会で首相指名を行う際には自民党の総裁が選出されるのは当然のことです。
歴代の自民党総裁の中で,自民党一党支配が終わった1993年以降に就任した河野洋平総裁以外は,すべての総裁が内閣総理大臣を務めています。逆に,自民党の結党から今日まで自民党総裁に就任せずに首相に就任した者は,非自民連立政権だった細川護煕元首相,羽田孜元首相,そして自民党と社会党の連立政権時の村山富市元首相だけです。
ところで,自民党総裁の任期は3年で二期を超えて就任する事はできません。内閣総理大臣の任期については特に憲法に規定はありませんが,首相が衆議院議員から選出された場合には,その任期は衆議院議員の任期である4年か,もしくは任期中の衆議院解散によって国会議員の議席を失うまでとなります。ところが,総選挙後に同一人物が再度国会で首班指名をされることで,第○次△△内閣を組閣し再度内閣総理大臣として登板することもできますから,首班指名され続ければ理論上は終身で首相であることも不可能ではありません。
しかし,自民党総裁が内閣総理大臣である現在の状況では,自民党総裁も内閣総理大臣も6年以上はできないことになります。高い支持率を誇った小泉首相が引退したのも,自民党総裁の任期と内閣総理大臣の任期が関連していることが要因のひとつでした。
安倍総裁の任期は始まったばかりであり,内閣総理大臣としての手腕もこれから問われてきます。これから色々な政策が発表され実現されていくことと思いますが,有権者として阿部首相が掲げる『美しい日本』に期待しつつも,小泉内閣との違いなど興味深く見ていくのも面白いと思います。

