[時事問題【国内】] 国内時事問題考察

アドバイザー:植松 和宏 / 行政書士・LEC専任講師

 

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司法制度改革 〜国民に使いやすい司法制度のために〜

 近年、司法を取り巻く状況が大きく変わってきています。
2006年9月21日に法務省は、法科大学院修了者を対象とした新司法試験合格者を発表しました。今回の受験者は、大学の法学部などを卒業後に法科大学院を修了した者(2年制の法学既修者)が対象で、合格者は1,009名で合格率は48%となっています。従来の司法試験の合格率が2〜3%程度だったことからみると、今後の法曹人口(裁判官、検察官、弁護士など法律専門家)が増加することは容易に想像できるでしょう。

 また、2006年10月2日には、総合法律支援に関する事業を迅速かつ適切に行うための法人として「法テラス」が業務を開始しました。法テラスとは「日本司法支援センター」の通称であり、2006年6月2日に公布された総合法律支援法に基づいて設立された独立行政法人です。法テラスでは、弁護士会や隣接法律専門職(司法書士、弁理士、行政書士、社会保険労務士、土地家屋調査士、税理士、公認会計士など)の所属会と連携することでトラブルの多様化・専門化に対応し、裁判やその他の法的紛争を解決するための制度の利用をより容易にすることを目的としています。いつでも誰でも容易に相談できる窓口として新聞やテレビでも頻繁に登場していますので、法テラスの記事や報道をご覧になった方も多いことと思います。

 さらに2009年になると、国民の司法参加を実現する裁判員制度がスタートします。裁判員制度とは、有権者名簿から無作為に選出された裁判員が、法のプロである裁判官と連携し重大な刑事事件の事実認定と量刑判断に関与する制度のことです。最近では裁判員制度を紹介したパンフレットや広告物などで目にする機会も増えてきました。

 こうしてみると、司法をとりまく状況がめまぐるしく変化していることは明らかです。
では、どうして今、司法制度改革が必要なのでしょうか。

 司法の中心にある「裁判」について、一般的には「金がかかる」、「時間がかかる」、「内容がよく分からない」というような印象を受ける方が少なくありません。そうすると、法的紛争があった場合に、「金がかかり、時間がかかり、内容がよく分からない制度」を使うか、というとそれほど重大な事案でない限り否でしょう。つまり、これまでの司法制度は、国民にとってあまり使い勝手がよいとは言えないネガティブなイメージがありました。このような状況を改善するために、政府に内閣総理大臣を本部長とする司法制度改革推進本部がおかれ、国民に使いやすい司法制度を実現するための改革が始まりました。こうして、「経済的で」、「時間もかからない」、「内容が分かりやすい」司法を目指すために、先に挙げた法テラスや新司法試験など一連の司法制度改革がはじまりました。これが司法制度改革の目的です。現在では、先の取り組み以外にも、ADR(裁判外紛争解決)の積極的導入、裁判迅速化など、多角的な対策が行われています。

 法テラスでは、開業から1週間が経過した10月7日までで、金銭借り入れや男女関係、相続問題など合計1万2,365件の相談が寄せられたと発表がありました。この数字を見ると国民の司法に対する需要はこれほど多かったのかと驚かされると同時に、改革の必要性を実感します。

 今後も司法の質を落とすことなく、国民に使い勝手のよい司法制度が実現できるよう、国民のひとりとして期待したいと思います。

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