[時事問題【国際】] 国際時事問題考察

アドバイザー:大野 純一 / LEC専任講師

 

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北朝鮮核実験と安保理決議 現状の確認

先週,国際情勢は北朝鮮の核実験一色に塗りつぶされたといってもいいでしょう。そこで,確認の意味も含めて状況を整理しておきましょう。

10月9日,北朝鮮は地下核実験を実施し,成功したと報じました(当初,核爆発が本当にあったのかという疑念もありましたが,小規模にとどまるものの,核爆発であったことが確認されました)。 このニュースはアジアばかりでなく欧米のメディアでもトップ級の扱いで報じられ,各国とも核実験に対し,強い懸念を表明しました。

このようななか,日本を初め各国は独自に制裁決議を採択し,国連の安全保障理事会も制裁決議採択に向かって動き出します。そして,14日(日本時間では15日未明)に安全保障理事会は全会一致で北朝鮮制裁決議(安保理決議第1718号)を全会一致で採択しました。制裁決議の採択については,強硬路線を堅持したいアメリカらとそれに反する中国などとの思惑の違いから,いくつかの点で揺れ動きがありましたが,決議本文の要旨は,

1 国連憲章7章に基づいて行動し41条の下で措置を講じる
2 追加的な核実験や弾道ミサイル発射をしないよう要求する
3 すべての核兵器と核計画の放棄を要求する

というもので,争点となったのは,国連憲章7章を盛り込むかどうか,さらに7章41条による制裁とするか42条による制裁とするかという点でした。国連憲章7章は,「平和に対する脅威,平和の破壊および侵略行為に関する行動」を定めたもので,加盟国の行為が平和を脅かすものであるとされた場合,安全保障理事会は制裁措置を発動できるとしています。制裁内容は,非軍事的なもの(41条)と軍事行動(42条)があり,今回の決議ではあくまでも非軍事的行動で決着したことになります。

決議にはさらに,以下の具体的内容が盛り込まれました。

1 指定された兵器類や大量破壊兵器計画に寄与し得る物資・ぜいたく品などの禁輸
2 制裁監視委員会などが認定した北朝鮮の個人や団体が海外で所有管理する金融資産の即時凍結
3 指定された北朝鮮の個人の海外渡航禁止に向けた必要な措置
4 国際法に反しない方法で,北朝鮮に出入りする船舶などの貨物検査を含む協調行動を取るよう各国に要求

ここで問題になったのは,船舶などの貨物検査をめぐる表現でした。当初は,「加盟国が必要と考える措置を取るよう義務付ける」として強制的な意味合いが強い表現でしたが,最終決議案では,貨物検査は核兵器などの武器の不正取引を防ぐための各国による「協調行動を要請する」という形にとどめ,強制的な意味合いを薄めた形になっています。

ともかくも,この決議によって,国連安保理のもとに制裁委員会が設置され,加盟国は30日以内に決議の実施状況を安保理に報告することになるため,今後,北朝鮮を出入りする人,モノ,カネの動きが国際的な立場から規制・監視されることになります。

制裁発動の枠組みが整うまで核実験発表から1週間足らずでしたが,これは異例の早さでした。

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