確定申告するべきか せざるべきか?!
前回のコラムで、銀行預金の利息と上場株式の配当金について比較しました。どち
らも税金が源泉徴収されますがその割合が異なり、結果的に配当金から差し引かれる
税金(所得税+住民税)は、利息から差し引かれる税金の半分で済むことが分かりま
した。
では次に、利息や配当金を受けとった側の税金の取り扱いについて考えてみましょ
う。日常生活で考えてみてください。銀行で通帳の記帳をしてみたら、利息が付いて
いました。これは所得税の所得区分上、利子所得に該当するのですが、この銀行預金
の利息について、税務署に行って確定申告をしようとは誰も考えないと思います。ま
た上場会社の株式を保有していて、その会社から配当金をもらったとします。これは
所得税の所得区分上、配当所得に該当するのですが、この上場会社からもらった配当
金についても確定申告をしようとする人は少ないと思います。
これは源泉徴収制度が、我々の確定申告の手間を省いてくれているのです。利息や
配当金を受け取る際には、その受け取る時点で既に所得税や住民税が差し引かれてお
り、この差し引かれた税金が実質的に利息や配当を受け取った人の支払った税金とな
るため、わざわざ確定申告をしなくても済んでいるのです。
ところが厳密に言うと、銀行預金の利息と上場会社からの配当金については、税金
計算の取り扱いが異なるのです。
まず、銀行預金の利息は利子所得に区分されますが、利子所得については源泉分離
課税という課税方法が適用されます。どういう方法かというと、源泉徴収のみで課税
関係が終了し「確定申告はしない(できない)」というものです。
つまり前回確認した源泉徴収制度で、我々が銀行から預金利息をもらうときには、
あらかじめ税金が差し引かれその残りが預金口座に利息として入ってくることを確認
しましたが、我々がもらった銀行預金の利息に対する税金は、銀行で差し引かれた税
金で「確定」ということになるのです。
次に、上場会社からの配当金は配当所得に区分されますが、配当所得については原
則、総合課税が適用されます。つまり確定申告書を書く必要があるのです。でも実際
に配当金をもらったことがある方の大部分は、確定申告なんてしていないよ・・・と
言うでしょう。それは配当所得については、確定申告不要制度というのが設けられて
いるため、「確定申告をしなくても大丈夫」なのです。
確定申告不要制度とは、上場会社からの配当金については利息と同様に、配当金を
もらう際に源泉徴収により税金が差し引かれていますが、もらった配当金に対する税
金がその源泉徴収された税金でOKということであれば、確定申告書を出さなくてよ
いという制度になります。
つまり利子所得については、源泉分離課税という課税方法が適用されるので、必ず
「もらった預金利息の税金」=「銀行で差し引かれた税金」ということになります。
しかし配当所得については、確定申告不要制度を選択すれば、「もらった配当金の税
金」=「上場会社で差し引かれた税金」ということになりますが、自分で確定申告を
すれば、「もらった配当金の税金」=「上場会社で差し引かれた税金」ということに
はならず、自分の他の所得(サラリーマンやパート・アルバイトをしている方ならば
給与所得、お店をやっている人なら事業所得など)ともらった配当金を合算して、税
金計算をし直すことになるのです。
一般的に確定申告書を書いて税務署に行くというと、税金をとられるというイメー
ジがありますが、実際のところ確定申告をしている人の多くは、税金の還付を受ける
ために確定申告をしているのです。
配当金についても、確定申告不要制度が設けられているため、確定申告をしないほ
うが有利だと考えている方が多いようですが、実際に計算をしてみると、差し引かれ
た所得税の全部が返ってくる(還付される)なんていうパターンも数多くあるので
す。せっかく還付されるものを、そのままにしておくのはもったいないですので、こ
れから紹介する所得税の計算を自分の状況に当てはめて、是非一度計算してみること
をお薦めします。

