[知ろう!知財財産権] 著作権法を知らなくても大丈夫。印税の仕組みを知ろう!

アドバイザー:永田健太郎 /

 

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TV放送と印税の関係は?

 こんにちは。

 前回は、CD一枚で印税はどれくらい貰えるか、について説明しました。その中で、JASRACはTV局からも著作権使用料を徴収する、という話をしました(第1回フロー図の番号(3)参照)。今回は、これに関連して、TV放送と印税の関係にクローズアップしてみようと思います。

 まずは単純に考えてみましょう。仮に、TV局はTV放送で流した全ての楽曲についてJASRACに報告しなければならない、とします。
 この場合、バラエティやお天気番組、ニュース番組など、全ての番組で使用された全ての楽曲について報告義務が発生します。
 そして、その報告量・報告回数は膨大なものとなり、TV局の局員に掛かる作業負担は非常に大きくなります。一方で、JASRACの職員にしてみても、膨大な量の報告を何度もチェックしなければならないとなると、こちらの作業負担もTV局に負けないくらい大きくなります。
 つまり、両者にとってメリットが少なく、むしろデメリットの方が大きくなってしまうわけです。

 そこで、一般的にTV局は、「サンプリング方式」での報告を行っています。このサンプリング方式は、ある1週間で使用した楽曲についてだけ報告を行う、という方式です。
 この“ある1週間”は、3ヶ月ごとにやってきます。したがって、TV局は、3ヶ月に一度、この“ある1週間”の期間内に、TV放送で流した楽曲についてだけJASRACに報告すればよいのです。
 そして、JASRACは、この“ある1週間”分の報告だけをチェックし、この報告を参考にして著作権使用料を徴収します(例えば、4倍して1ヶ月分の使用料など)。

 ただし、これには1つ問題があります。仮に、“ある1週間”の期間内だけTV放送されなくて、それ以外の期間はTV放送されていた楽曲についてはどうなるのでしょうか。
 先に述べたサンプリング方式だと、TV局からJASRACに楽曲の使用報告が届かないことになります。 この場合には、残念ながら、その楽曲の著作者には印税は入ってきません(特別な手続を経れば、例外的に入ってくることもあります)。
 “ある1週間”の設定時期によって印税を受け取ることができない著作者が出てくる、これが、サンプリング方式の弱点なのです。

 ちなみに、もう少し時間が経てば、この問題は解消するかもしれません。
 というのも、近い将来、アナログ放送は終了し、デジタル放送がスタートすることはご存知と思いますが、このデジタル放送の技術を駆使すれば、TV放送で使用された全ての楽曲データを簡易かつ迅速に調査・報告できる可能性があるからです。
 デジタル放送技術は、著作権使用料の徴収にも大きな変革をもたらすかもしれません。

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