アメリカ中間選挙 確かに共和党は敗北したけれども…
アメリカで中間選挙が行われました。ブッシュ大統領の与党共和党が大きく敗北し,民主党が躍進,上下両院で過半数を制しました。この結果についてはニュース等でも連日報道されましたので,ご存知の方も多いでしょう。選挙敗北の結果,イラク戦争を推進してラムズフェルド国防長官も辞任というおまけもつきました。
もう少し結果をチェックしておきますと,定数100の上院の勢力図は共和党が49,独立系を含む民主党が51,定数435の下院は民主党が229,共和党が196となっています。民主党が両院を制するのは実に1994年以来12年ぶりです。
ところで,この選挙をなぜ「中間」選挙というのかご存知でしょうか?
アメリカでは4年に一度大統領選挙が行われます。この大統領選挙の際にも議会選挙は実施されるのですが,それとは別に,大統領の任期4年の半分にあたる2年が経過したときにも議会選挙が行われるため,中間選挙と呼ばれるのです。上院議員のうちの3分の1,下院議員の全員が改選され,同時に任期が満了した州の知事や各自治体の公職に関する選挙が行われます。
大統領選挙後2年を経て行われますから,時の大統領が行っている政策に対する国民の支持具合を図ることができるとされていて,上下両院において大統領所属政党が過半数を維持できるかどうかがポイントになります。
規定により中間選挙は,「11月第1月曜日の属する週の火曜日」に行われることになっています。今年はこの規定により11月7日に実施されました。日本ですと選挙は日曜日,というのが一般的な感覚ですが,国が異なればいろいろあるわけですね。
さて,ブッシュ大統領が属する共和党が敗れたことで,反米を掲げる国々では,共和党時代の終焉だとか,ブッシュ敗北は自国の勝利だとかいったような論調が出ているようですが,そう考えるのは早計です。上で述べましたように,中間選挙は4年に一度の大統領選挙の間,いいかえれば大統領選挙後2年目に行われますから,どうしても大統領と大統領与党に対して否定的になりがちです。さらに,今回のように大統領2期目の中間選挙は,ある意味政権末期に行われるということもあり(アメリカ大統領は同一人物は2回までしか選ばれませんからそうなります),与党の後退が激しいといわれています。
そのような中で,これまでに2期目の中間選挙の後,つまり自分の残された任期の残り2年において,中間選挙の敗北を踏まえながらも大きな仕事を成し遂げた大統領もいます。レーガン大統領がそのいい例です。レーガンは1986年の中間選挙で上院の過半数を失いました。しかし,そのような状況において議会の民主党勢力とバランスをとりつつ,みずから「悪の帝国」と名指したソ連と交渉を重ね,1987年12月に中距離核全廃を定めたINF条約を締結して冷戦終結の流れに導きました。
はたしてそれではブッシュ大統領は残された2年で何をやるのでしょうか?今後北朝鮮関係,中東関係で大きな動きがあるかもしれません。
注:アメリカ議会は,人口に比例して議席数が定められている下院(現在は定数435)と人口に関係なく各州から2名ずつ選出される上院(アメリカは50州でそこから2名ずつですから定数100)から成り立っています。中間選挙では,下院議員は435名全員が改選され,上院議員は100名のうち3分の1にあたる33名ないしは34名が改選されます。

