[身近な法律知識] 社会人必須!「労働」の法律

アドバイザー:福井 識章 / 行政書士

 

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あなたは使用者?労働者?

・・・ヒラ社員でも使用者責任がかかってくる!?・・・

「なにぃ。もう帰りたいだって。ダメダメ、この仕事を全部終わらせるまでは家には帰さないよ」
「ちょっと主任、もう3日も会社に泊まって、休憩なしで働いているんですよ。こんな目に合わされるんだったら、会社辞めます」
「バカ。勝手に辞められると思うな。全部終わるまでは退職も認めないからな」
「そんなぁ・・・・」


 労働法は、使用者と労働者の関係を規律する法律です。実は民法にも雇用契約についての規定があるのですが、民法はあくまでも「対等な当事者」の関係を前提にしていますので、どうしても労働者にとって不利になってしまいがちです。そこで、弱い立場の労働者を守るべく作られたのが「労働基準法(以下、労基法)」なのです。
 労基法の中には「使用者は○○してはならない」という文言がたくさん出てきます。使用者を規制することで、労働者の保護を図っているわけですね。

 ところで、この「使用者」なのですが、意外と範囲が広いのです。

 使用者と聞きますと、会社の社長やそれに相当する役員クラスの方々(いわゆる経営陣)が該当するのかな、と思われるかもしれません。しかし、実は、労基法10条で「使用者とは…労働者に関する事項について、事業主のために行為をするすべての者をいう」とされています。この文言が意味するところは、社長などの役員だけではなく、人事部長や労務課長、場合によっては係長や主任などでも労働者の管理について〜残業を命じることができるなど〜一定の権限を持っている場合は「使用者」に該当するということです。したがって、入社してから数ヵ月の単なるヒラ社員であったとしても、アルバイトのスタッフ数人を管理し、その人たちの労働時間などを管理していれば労基法上は使用者になるわけです。

 ちなみに、冒頭の例のように強制的に労働させることは労基法5条で禁止されており、違反者に対しては「1年以上10年以下の懲役または20万円以上300万円以下の罰金」という労基法で最も重い罰則が使用者に科せられます。

 勘違いのないように補足しますが、冒頭の例に登場した「主任」は少なくとも役員などの経営陣ではないですから、「労働者」にも該当します。ただ、部下の労働条件を管理するという、「その部分においては使用者」の立場として処理するというだけです。単なるヒラ社員なのに、バイトスタッフを数人管理するようになったら途端に経営者となり、雇用保険も外れて…などというのはちょっと不合理ですからね。

 さて、では次回は「労働契約の期間」についてお話していきます。お楽しみに。

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