[時事問題【国内】] 国内時事問題考察

アドバイザー:植松 和宏 / 行政書士・LEC専任講師

 

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敬語の種類を見直し! で,より深く理解できる?

2007年2月2日,文部科学大臣の諮問機関である文化審議会国語分科会の敬語小委員会は,現在使用されている敬語の分類法を5分類とする指針をまとめたと発表がありました。
これまでの敬語は,「尊敬語(相手の立場を高めて言い表すもの)」,「謙譲語(自分自身の動作をへりくだって表現するもの)」,「丁寧語(話し手が聞き手に対し敬意を表して,丁寧に表現するもの)」と3分類されていました。これが5分類になるわけですが,何かメリットがあるのでしょうか。

文化審議会の指針によると,現在の「謙譲語」を性質により「謙譲語I」と「謙譲語II(丁重語)」の2種類に大別し,さらに「丁寧語」から「美化語」を独立させるようです。これにより,敬語の種類は,「尊敬語」,「謙譲語T」,「謙譲語U」,「丁寧語」,「美化語」の5つになります。
「謙譲語I」とは,自分の行為が向かう相手先を立てるもので,「伺う」や「申し上げる」などがこれに該当します。また,「謙譲語II(丁重語)」とは,「参る」や「いたす」など,相手に対して自らの行為や物事を丁重に述べるものをさします。さらに,丁寧語の一種である「美化語」とは,「お」や「ご」をつけるなど上品さを表す言葉を指すとされています。

文化審議会によると,分類の見直しは「敬語の働きや使い方をより深く理解するため」と発表しています。つまり新たな指針が目指すのは,敬語の性質を厳密に分類することで,使い方の混乱を防ぐのが狙いだということです。確かに近年では言葉の乱れが著しく,不適切な表現が日常的に使用されています。こうした傾向は,若年者に限らず30代以上の層でも見られます。このような言葉の乱れは,意思の疎通を混乱させるほか,日本語のもつ感性を失わせることにもつながるでしょう。一時期は,ファミリーレストランにおけるマニュアル言葉がおかしいと話題になりましたが,今日ではそれ以上に不自然な言葉が使われるようになってしまいました。こうした状況を改善するためにも,国語教育を充実させることは必要でしょう。実際にも文化庁が行った世論調査によると,国民の大部分が敬語表現学習の必要性を認めているという結果がでたそうです。

しかし,今回の指針で敬語を分類したからといって「美しい日本語」になるかというと,疑問を感じてしまいます。複雑な分類になり,国語学習の一層の混乱を招くだけのような気がしてしまいます。定義が厳密になるほど,応用が利きにくくなるのはあらゆる分野で見られることです。文化審議会がいうような「敬語の働きや使い方をより深く理解するため」には,逆効果のように思えてなりません。ルールを作ることは大切ですが,必要以上に枠組みをつくり,すべてを枠に当てはめ国民の主体性を失わせることがないように,問題の本質をしっかりと分析することが大切です。政府には,国民にとって最善と考えられるような方向性を示してほしいものです。

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